ニューヨーク州都市交通局(MTA)は10日、かねてより同市のマイケル・ブルームバーグ市長が提案していた地下鉄7番線をニュージャージー州まで延長するという計画について、資金不足のため「実施不可能」とあらためて強調した。
市経済開発公社が同日発表した報告書によると、両州間を移動する地下鉄利用者は人口増加により、2030年までに40%増となる見通し。ブルームバーグ市長は、「現行の交通機関では、急増する地下鉄利用者の需要をまかないきれない。交通機関への投資を怠れば、ニューヨーク市の経済発展を大きく妨げる事態を引き起こす」と指摘し、MTAに計画について再検討するよう訴えた。
だがMTA広報担当のケビン・オルティズ氏は、「このような延長工事を実施する資金がないし、捻出できるあてもない」と反論、現実的には難しいとの見解を示した。
MTAは現在進められている2番街線プロジェクトの工事費や既存の交通機関の維持管理などのために、14年までに220億ドルの予算を組んだが、そのほとんどは借り入れる必要があった。14年以後の資金確保の目処がまったく立たない中、資金繰りが確保できない限り7番線の延長計画は視野に入れられないようだ。