ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が普及している米国やカナダで、集団強姦の被害に遭った若い女性が相次いで自殺を図っている。
そもそも集団強姦が発生するという事態が問題であるが、一瞬にして万人に情報が流布してしまうSNSの存在が、より事態を深刻にしている。
カリフォルニア州サンタクララで昨年9月、同地のサラトガ高校に通うオードリー・ポットさん(当時15歳)が自殺した。
ポットさんは自殺する7日前に、高校の同級生宅で行われたパーティーに参加。そこで泥酔してクラスメートの男子生徒ら3人から暴行を受け、その時に撮影された写真がフェイスブックやツイッターなどインターネットを通し約1400人に広まった。
またカナダのノバスコシア州でも7日、リテー・パーソンズさん(17歳)が首を吊り自殺を図った。パーソンズさんも15歳だった2011年11月、ポットさん同様にパーティーで泥酔し、未成年の少年4人に暴行され、その時の写真が校内に出回った。事件後パーソンズさんは友人らの“ネットいじめ”の対象となり、鬱状態が続いていたという。
米国では未成年者の間でもパソコンや携帯電話が普及しているため、この“ネットいじめ”が深刻な問題となっている。また従来の面と向かったいじめと違い、仮想空間の中で行われ、そして誰もがその対象になりうること、いじめを仕掛ける相手が誰か分からない匿名性ということも、被害者の心理を追いつめる要因になっているという。
米政府は、両親や教師などが見えない所で蔓延る“ネットいじめ”を食い止めるための対策の設置が急務となる。