小さな諍いから大きな事件まで、裁判が何かと生活の身近にある訴訟大国アメリカ。いくらややこしいことに巻き込まれないように注意していたとしても、犬も歩けば棒に当たるというもの。そこで今回は、いざという時に頼りになる、失敗しない弁護士の選び方について、ニューヨーク州の法曹事情に精通した弁護士に伺った。
泣くか笑うかの別れ道?失敗しない弁護士の選び方
日本の常識とは一線を画すアメリカの訴訟事情。普段の生活の中にも予想だにしない落とし穴がいくつもあり、それに気付かずに大変な目に遭ってしまったという人も少なくないはず。
また、「いざ助けが必要」という時に困るのが、星の数ほいる弁護士から適任者を選ぶという作業だ。現在ニューヨーク市には約6万人もの弁護士がおり、個人事務所からグループ運営に至るまで、さまざまな形態がある。
ロウワーマンハッタンに本拠を置き、25年以上にわたり正義のために闘ってきた「黄黄(ウォン・ウォン)法律事務所」の代表を務めるレイモンド・ウォン弁護士は、「いかなるケースでも最善の結果を出すためには、依頼者は担当の弁護士を慎重に選ばなければなりません」と指摘する。
そこでウォン弁護士は、失敗しない弁護士の選定方法についていくつかのアドバイスをくれた。
どこに注意すれば良い?
まずは①知人からの紹介。過去に依頼した人からの推薦であれば、その弁護士の手腕が分かるだけでなく、クライアントの抱える問題を親身になって解決してくれるかどうかを探ることができる。
次に大切なのが②評判。これまでどのようなケースを扱い、どのような結果をクライアントにもたらしてきたか。評判の良い弁護士や事務所は担当する分野を専門化している傾向にあり、その分野に関して豊富な経験を積んでいるため〝勝因〞をしっかり把握しているという。
そして③クライアントの目線に立って親身に対応するという姿勢。「ただ単に『勝てる』と言う根拠のない発言でクライアントを惹き付けるのではなく、自分の知識と経験を活かし、クライアントと相談しながら最善の策を見つけていくという姿勢が重要」だという。費用や時間を含め、極力クライアントの望む形でケースを進めて行くということは当たり前のように聞こえるが、それを全うしない弁護士も多いため、初回のカウンセリングなどを通して弁護士の能力や自分との相性を見極めるようにしたい。
そして最後に忘れてはいけないのが、④長年の実績。ウォン弁護士によると①〜③のすべてにも通じることだが、五万とある弁護士事務所の中でも長年にわたり事務所を構えていられるのは、クライアントからの需要があるからこそ。「一度依頼した弁護士が良い結果をもたらしてくれたり、(クライアントとの)信頼関係が生まれると、クライアントは事あるごとに必ずその弁護士を頼ってくれますし、また知人に『良い弁護士がいますよ』と紹介してくださるんです。これが弁護士事務所が繁栄するために欠かせない最大のポイントなのです」と語る。
また、個人事務所なのに「『移民法や離婚問題、ましてや刑事法まで何でも対応します』と唱っているところには注意が必要」なのだとか。「法律は常に変わり続けており、弁護士は膨大な情報量を消化し続けていかなければなりません。自分の必要としている分野を専門とする弁護士を見つけることが大切です」
泣くか笑うかは弁護士次第̶と言えば大げさかもしれないが、失敗しないためにも見極める目を養いたい。困った時にはこれらのアドバイスを参考に、最後に笑顔をもたらしてくれる適任者を選びたい。
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