平成25年春の叙勲 NY在住の尾崎敏氏に瑞宝中綬章 在NY日本国総領事館

 日本国政府は4月29日、平成25年春の叙勲受章者を発表。ニューヨーク州在住の尾崎敏氏に対し、瑞宝中綬章を授与した。高エネルギー物理学の進展への貢献、並びに同分野における日米学術交流への功労が認められた。同氏は米国ブルックヘブン国立研究所名誉シニア・サイエンティストとして活躍している。功績概要などは以下の通り。

■主要経歴
1955 大阪大学理学部物理学研究科修士課程終了
1959 マサチューセッツ工科大学(物理学Ph.D)
1972 ブルックヘブン国立研究所主任研究員(専任教授/終身在職権)
1990 文部省高エネルギー物理学研究所名誉教授
2013 ブルックヘブン国立研究所名誉シニア・サイエンティスト

■功績概要
 1981年に高エネルギー物理学研究所(現、高エネルギー加速器研究機構)において、我が国で最初の大型高エネルギー衝突型加速器であるトリスタンの建設プロジェクトを指揮。日本における高エネルギー物理学実験研究の国際化を図り、近隣アジア諸国の研究者がトリスタンでの研究に参加する途を開く。
 1989年より米国ブルックヘブン国立研究所において手掛けた相対論的重イオン衝突型加速器(RHIC)の開発と建設は、物理学における粒子研究に多大に貢献。
 日米両国での基礎科学の大型実験を実現させるための加速器の設計と建設、国際協力の推進に功績。我が国最大級の国際共同研究事業である高エネルギー物理学における「日米科学技術協力事業」において、実質的な調整役として活躍。科学技術交流における対日理解の増進と対日イメージアップに寄与、両国の友好親善の深化に大きく貢献した。