大型ハリケーン「サンディ」に米東海岸が襲われた2012年10月から、4月29日でちょうど半年が経過した。特に被害が大きかったニュージャージー州沿岸部、ロングアイランド、コネチカット州およびニューヨーク市の一部地域の人々は、進まない復旧作業に苛立ちを募らせている。
これらの地域では半年が経過した今もなお、多くの人が自宅に戻ることができず避難生活を送っている。また、夏の行楽シーズンを前に商業や観光業の立て直しや、新たなハリケーン来襲に備えた海岸部の保全工事の実施など、多くの課題が残っている。
特に、総額295億ドルの被害を受けたニュージャージー州では、観光シーズンが本格的に始まるメモリアルデーの休暇まで残り4週間を切った今も、多くの住居や商業施設で復旧工事の遅れが目立っている。州当局は現時点ですでに、今夏の海岸地域の観光収入が昨年を下回る見通しであることを明らかにしている。
一方、ニューヨーク州スタテン島のオークウッドビーチもゴーストタウン化している。同地域ではアンドリュー・クオモ知事の主導による新たな土地買い取り計画が試験的に実施されており、住民にはサンディの被害を受ける前の住宅価格が全額支払われるほか、スタテン島に留まることに同意する場合は、さらにその5%が追加して支払われる計画だという。