昨年10月に米東部を襲ったハリケーン「サンディ」で、ニューヨーク州およびニュージャージー州の下水施設などから溢れ出た下水の量が、約100億ガロン(約4000億リットル)に上ることが分かった。
気候変動の分析を行うクライメイト・セントラル社によれば、両州では下水施設や処理施設が沿岸部周辺に集中しているため、サンディの襲来によって未処理または処理途中だった下水が施設から溢れ出し、大量の汚水が河川や湖、海などに流れ込んだという。
同数値はセントラルパークと同じ面積の水槽に入れた場合、41フィートの深さになる量だという。この結果、近隣の湾や海水浴場は、サンディ被災後の数週間にわたり汚水にさらされることとなった。
これに加え、ニューヨーク市の老朽化した下水管からも大量の汚水がジャマイカ湾に流れ出たものと考えられるが、正確な量は明らかになっていない。
市当局は、サンディ襲来から半年が経過した現在も、飲料水を煮沸消毒し、海水が汚染された区域での水泳や魚釣りを控えるなどの対策を続けるよう、特に被害の大きかった地域の人たちに呼び掛けている。
今後、汚水が海に押し流されるにつれ健康への直接的な被害は軽減されていくと予想されるが、長期的に見て環境にどのような影響が出るかは明らかになっていないという。