ニューヨークのトレードマークである黄色いタクシー「イエローキャブ」の予約を、手持ちのスマートフォンから可能にするという新システムが4月30日より、ニューヨーク市内で始まった。
オンデマンドの送迎サービスを提供するウーバー社が立ち上げた新アプリでは、利用者がアプリに入力した予約情報を、近隣にいるイエローキャブの運転手が先着順に確認し、対応することになる。予約は一切無料。
スマートフォンのアプリによるタクシー予約システムは他都市ではすでに実施されており、複数のアプリ提供業者が同市でのサービス提供に意欲を見せている。
一方で、一般のタクシーサービス業者らは路上で乗客を拾う行為が禁止されているため、アプリ経由でのイエローキャブ予約が実現することで顧客の獲得に偏りが出ることが危惧されている。また、予約を許可することでイエローキャブの運転手が地域や人種を理由に乗客を選り好みするようになる可能性などが懸念されたが、市当局はアプリでは運転手が予約した乗客の情報を事前に確認することができないため、逆に乗客への差別低減につながると判断した。
だが、実際に新アプリを使いこなすタクシー運転手が限られていることから、実際に利用した人々からは、「タクシーが指定の場所に到着するまで相当な時間が掛かった」「全く機能していない」など、批判的な声も多数聞かれ、このサービスが一般に浸透するためには、まだまだ課題は山積みのようだ。