製薬大手のファイザーはこのほど、勃起不全治療薬の「バイアグラ」を自社ウェブサイトで直接販売することを決定した。製薬会社が自社サイトを通じて医薬品の直接販売を行うのは同業界では異例のことで、今後の医薬品販売モデルに大きな影響を与える可能性がある。
今回ファイザーが直接販売に踏み切ったのは、蔓延する偽造品への対応が目的だ。同社によると、バイアグラの偽造品はオンライン販売を通じて世界中に出回っており、処方箋を取得せずに安価で購入できるため、人気が絶えないという。また、薬局で薬剤師から購入することに気後れを感じる男性が多いことも、偽造品の蔓延に繋がっているという。
だが専門家によれば、ほとんどの偽造品には誤った分量の医薬成分が含まれており、正規品に比べて格段に効果が低いことが多い。また、有害な物質が含まれている場合や、非常に不衛生な環境で製造されているものもあり、摂取した人の健康に害を及ぼす危険性も否めない。
専門家は、バイアグラのオンライン直接販売が成功すれば、ダイエット薬や避妊薬など、購入者がプライバシーを求める医薬品の販売で他企業が続く可能性が高いと分析している。
なお、商品の購入にはこれまで通り医師からの処方箋が必要となる。また、1錠25ドルの価格設定は従来通りだが、同社はオンラインでの直接販売の開始に当たり、初回の購入で追加3錠を無料で提供するほか、2回目の購入では30%引きとするキャンペーンを実施している。