ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は6日、住宅ローン事業問題に関する和解合意に違反した疑いで、米銀行大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)とウェルズ・ファーゴを提訴する予定でいることを明らかにした。
この合意は昨年、バンカメとウェルズ・ファーゴを含む国内の大手銀行5行が住宅ローン処理で不正を行ったとされる問題で、同5行が全49州に対し、合計250億ドルを支払うことを取り決めたもの。これにより銀行側は、不正な差し押さえ処理を是正し、約100万人の借り手を援助する措置を取ることが決まっていた。
シュナイダーマン長官は昨年10月以降に全339件の違反があったことを明らかにし、「両行は合意で定められた義務を怠り、ニューヨーク州内の何百人もの住宅所有者を差し押さえのリスクにさらした」と批判。また両行に対して、差し止め救済措置の実施を促すとともに、合意内容を順守するよう求めるとした。
同合意では、監視委員会に違法の通知が出されてから21日以内に銀行側が是正処置を取れば、委員会の判断で提訴を見送る場合があると定められている。ただし、提訴延期の決定後さらに21日が経過した後は、シュナイダーマン長官自身が提訴手続きを進めることが可能になる。
同合意には両行のほか、JPモルガン・チェース、シティグループ、アリー・ファイナンシャルが含まれている。