ニューヨークやニュージャージー州などで今夏、17年ぶりにセミの鳴き声が響き渡ることになる—。
米国北東部に生息するセミは、「周期ゼミ」もしくは「素数ゼミ」と呼ばれ、樹皮の内側に卵を産み、幼虫はふ化後、土中に潜って17年間かかって成長し、やがて一斉に地上に出て成虫となり、数週間の命を全うする。
最後にトライステートエリアでセミが大量に発生したのは1996年5月であったことから、17年目を迎える今夏は大量のセミが地上に出てくることになる。
セミの生態に詳しいエド・ジョンソン氏によると、ニューヨーク市では特にスタテン島で大発生する見込みだが、全区において例年以上の数を記録することは間違いないようだ。
米野生動物保護協会(WCS)が管轄するクイーンズ動物園の副管理責任者で昆虫学者のクレイグ・ギブス氏は、「米東部では17年ゼミ、南部では13年ゼミがなぜ発生するのかは解明されていないが、種の存続のために進化したと考える専門家が複数いる。滅多に見られないセミの大発生をより多くの人に観察してもらいたい」と楽しみにしている。
90デシベルにも及ぶセミの鳴き声は、地下鉄の走行車両の騒音に匹敵するほど。ことしの夏は賑やかになりそうだ。