ニューヨーク州都市交通局(MTA)は現在、ニューヨーク市内にある30の地下鉄駅構内で無料Wi-Fiサービスを提供し、利用客からは利便性が称賛されているが、同サービスの拡大に伴い、個人情報の盗難被害も出ているようだ。
インターネット・セキュリティーに関する専門家、ラジュ・デブジャーニ氏によると、電車の待ち時間に気軽にインターネットへ接続する人が増えているといい、「他人の個人メールや通信情報を盗み見ることが容易になっている」と指摘する。
また別の専門家は、無料Wi-Fiの安全な利用方法を知らない地下鉄利用者には、不特定多数のユーザーが利用するネットワークでの情報の流出を食い止めるバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)を使用することを勧めている。さらに、①httpsで始まるセキュリティーレベルの高いウェブサイトのみにアクセスすること②電子メールに重要な個人情報を入れないこと—などの注意を喚起している。
一方、MTAと提携して無料Wi-Fiサービスを提供するボインゴ・ワイヤレス社のザック・スターンゴールド副社長は、「注意点さえ守って公衆インターネットを賢く利用すれば、心配をする必要はない」とコメントしている。
MTAは数年以内に、地下鉄全468駅に無料Wi-Fiサービスを導入する意向を表明している。