ニュージャージー州はこのほど、オーバードース(薬物過剰摂取による中毒症状)のために救急車を呼んだ人を保護する州法を可決し、クリス・クリスティ知事が署名を行った。2日に行われた署名式には、同州出身の人気ロック歌手、ジョン・ボン・ジョヴィさんや、オーバードースで子どもを失った保護者らが多数参列した。
「善きサマリア人緊急救命法」と名付けられた新たな州法は、オーバードースのために助けを求めて911に通報をした場合には、危険な状態に陥った人も、その人を救うために救急車を呼んだ人も、違法薬物を摂取していたとしても逮捕が免除されることを定めたもの。これにより、周囲の人が逮捕を恐れて通報をしなかったために死者が出る、というケースが大幅に減ることが期待される。
ボン・ジョヴィさんは昨年、娘のステファニーさんが大学寮でヘロインを過剰摂取し、病院に運ばれるという事件を体験。その後、オーバードースによる死亡者の親から受け取った手紙をクリスティ知事に届けるなど、通報者を保護する州法の可決のために尽力してきた。
クリスティ知事は署名に際し、ボン・ジョヴィさんと話をしたことがきっかけとなったことを明かし、「この法律の意義を理解するうえで、彼の存在が大きな役割を果たした」と語った。