ニューヨークといえば「セックス・アンド・ザ・シティ」や「ゴシップ・ガール」などこれまで多くの人気テレビ番組の制作が行われてきたが、同州政府がテレビ業界に対し設けている複数の税制優遇措置に惹かれ、最近はより多くの番組制作会社が同市に殺到している模様だ。
ニューヨーク市の市長室メディア&エンターテインメント部門によると、現在同市内では、看板番組が並ぶプライムタイムの時間帯に放映されているエピソード方式のテレビ番組が25本あり、バラエティやトーク番組なども多数抱えるなど、その数は年々増加している。またボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が2012年に実施した調査によると、02〜11年の間に同市内のテレビ番組制作会社の数は82%増加している。
この人気の理由について、長寿教育番組「セサミ・ストリート」の撮影が行われているカフマン・スタジオの最高責任者、ハル・ローゼンブラス氏は、住む場所、働く場所としてニューヨークが魅力的な都市である限り、同市を舞台にしたいと考える番組制作者が多いのは当たり前のこと」と分析する。
その他にも、多くの有能なテレビ脚本家、ディレクター、俳優などが同市に拠点を移し活動していることも、制作会社が次々にニューヨーク進出を果たすための後押しになっている。
同州が設けているテレビ業界を対象とした30%の税制優遇措置に、今後トーク番組も含む可能性があるため、1954年より放映されている人気深夜番組「ザ・トゥナイトショー」の収録も先日、カリフォルニアからニューヨークに移転して行うことが決定されている。