ブロンクス区当局はこのほど、メトロノース鉄道の駅を同区内に新たに4駅新設する計画について、実現した場合の経済効果に関する試算結果を公開。駅の新設により新たな雇用が5400件創出されるほか、個人住宅の価値が最低14万ドル上がるなど、ブロンクス区全体で1兆ドル以上の経済効果が見込める見通しであることが分かった。
メトロノース鉄道の拡張計画は、同区東ブロンクス地区にハンツポイント、パークチェスター、モリスパーク、コープシティの4駅を新設し、マンハッタン区のペンシルベニア駅とコネチカット州を結ぶ路線から新たな支線を走らせるというもの。
同区のルーベン・ディアス区長はこの計画について、通勤時間の短縮のほか、開発促進や自動車の利用減少による大気汚染の軽減、あらたな雇用の創出などさまざまな利益を同区にもたらすとして、実現を急いでいる。また、周辺地域の地価上昇や商店などの売り上げ増加なども期待できるとされる。
ただし、ニューヨーク州都市交通局(MTA)による資金繰りの問題や、ペンシルベニア駅における利用枠割り当てにより、ロングアイランド鉄道(LIRR)の運営への悪影響が懸念されるなど、拡張計画の実現に向けた課題はまだ数多く残っているのが現状だ。