ニューヨークポスト紙を提訴 テロ容疑者のように写真掲載


 4月にマサチューセッツ州で起きたボストン連続爆破テロ事件の後、“指名手配の容疑者”として顔写真を掲載された無実の男性2人が5日、米紙ニューヨークポストを相手取り、サフォーク郡上位裁判所に訴えを起こした。
 高校2年生のサラヘディン・バーホウムさん(16歳)と金融会社に勤務しながら定時制大学院に通うヤシネ・ザイミさん(24歳)は事件当日の4月15日、リュックサックを背負いマラソン会場のゴール付近で観戦した後、爆発の2時間前に会場を後にした。後日、ウェブサイト上に自分達の写真が容疑者のように掲載されていることを知った2人は地元の警察に出向き、質問に答えて疑いを晴らした。 
 だが同紙は同月18日、「バッグ・メン」という大見出しの下にリュックサックを背負った2人の写真を第1面に、別のページには2人の写真の顔のまわりを赤丸で囲み、連邦捜査局(FBI)が2人を探しているかのような見出しを付け掲載した。
 訴状によると、同日、職場に着いたザイミさんは上司に記事について指摘されるとパニック発作を起こしたという。また、陸上競技大会から自宅に戻った際、自宅の前に大勢の報道陣を見つけたバーホウムさんは、新聞を見て恐怖感に襲われ、震え、発汗、めまいと吐き気を覚えたという。
 同紙は、「容疑者とは書いていない」とコメントしている。