ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長は11日、気候変動の影響に備えるための新たな防災計画を発表した。
同市では昨年秋の巨大ハリケーン「サンディ」来襲後、気候変動が同市にもたらす影響について、科学者らが徹底調査を実施。今回の計画はこの報告書に基づき、従来よりも大規模な災害を想定した内容になっている。
報告書は、2050年までに市内の気温が平均4〜7度上昇するほか、周辺の海面が2.5インチ上昇し、満潮時には市内沿岸部の8%が洪水の危険にさらされることになると予測している。また、50年までに市内の洪水頻発地域が現在の約2倍に拡大し、約80万人の市民が浸水の危険が高い地域に住むことになると警告している。
今回発表された防災計画には、洪水に備えた護岸設備の増設のほか、避難地域の指定に用いられる「ゾーン」制度の見直し、通信と燃料補給に関する新たな標準の導入などが盛り込まれており、予算は総額195億ドルに上るとしている。
またブルームバーグ市長は発表に際し、「今後はハリケーンをはじめとする沿岸部の嵐に加え、干ばつや局地的な大雨、熱波など、自然災害がさらに深刻化していくことが予想される」と述べ、気候変動に伴い対策を強化していく構えであることを強調。ハリケーンによる水害などから市民を守るために尽力する意向を表明した。