児童が男児に性的行為を強要 NY教育局に600万ドルの賠償請求

 マンハッタン区ハーレム地区の公立小学校(PS194)で、3年生の男子児童が同級生らにわいせつな行為を強要されたとして、男子児童の母親がニューヨーク市教育局(DOE)を提訴したことが分かった。
 事件があったのは昨年3月。被害者の男子児童(8歳)は学校の廊下で授業が始まるのを待っていたところ、5年生の男子児童と3年生の男子児童2人に強引にトイレの個室に連れ込まれた。男児は抵抗したが押さえ込まれ、3人に性的な行為をするよう強要されたという。
 リーダー格の5年生男児は過去にも女子児童の下半身に触れるなどして問題になったが、特に処罰は受けていなかった。被害男児の母親は、5年生男児の性的に逸脱した行動について学校側が適切に対応しなかったことが今回の事件につながり、精神的な苦痛を受けたとして、教育局に600億ドルの損害賠償を求めている。
 今回の事件後、被害に遭った男児は直後に教師に報告したが学校側は警察に連絡をしなかったため、事情を聞いた母親が通報した。だが、加害者らは警察の到着を待つことなく、学校側から帰宅を許されていたという。その後、3人は5日〜10日の停学処分を受けた。
 このような劣悪な性的暴行事件が公立小学校で起きたという事態を受け、小学生や中学生の子どもを持つ保護者などからDOEには問い合わせが相次いでおり、教師の目がすべての児童に届くよう、緊急対策の必要性が問われている。