事故要因なら携帯電話没収 NJ州議会が提案

 ニュージャージー州議会は13日までに、交通事故を起こした運転手が事故当時、携帯電話で通話していたり、テキストメッセージの送受信などをしていたことが事故原因となる“合理的な理由”がある場合、警官の携帯没収を認める法案を提出した。不注意運転による交通事故の減少が目的。
 この法案が成立すれば、警官は運転手に免許証などの提示と共に携帯電話の提出を求めることが可能となるが、携帯は通話履歴を調べた後に返還される。
 不注意運転が原因の交通事故は増加傾向にあり、この法案はそれを減少させるのが狙い。ニュージャージー州フェアローン警察のブライアンメツラー巡査部長は、「特に『運転手』の不注意による事故が多い」と指摘。これまで、事故の当事者である運転手は不注意であったことは認めるものの、警官に携帯の使用について尋ねられると否定するため、それ以上捜査を進めることが困難となっていたという。
 一方、米自由人権協会のニュージャージー支部はこの法案には議論の余地があると警告する。州や連邦の憲法では多くの個人情報を含む携帯などを調べる場合には特に、事前に正当な理由の提示が必要だと定めており、その解釈を巡る話し合いが必要であると主張する。
 米運輸省の発表によれば、2011年に不注意運転が原因の事故で死亡した人は約3000人で、負傷者は38万7000人に及んだ。
 運転中の携帯手持ち通話は現在11の州で、またテキストメッセージの操作は41州で禁止されている。