日本の「こじま」、NYに寄港 船上レセプションに150人

招待された米国の海上保安庁の人も参加しての餅つき。会場の全員で「よいしょ!」と掛け声を掛けるなど盛り上がった=12日(photo:Koike)


 世界一周の遠洋航海中である海上保安大学校の練習船「こじま(川上直実船長/2950トン)」が、ニューヨークのブルックリン・マリンターミナル(ピア7)に寄港。12日、船上レセプションが行われ、関係者ら約150人が招待された。
 マンハッタンの摩天楼をバックに停泊した同船の甲板で招待客らは、ビュッフェスタイルの食事、乗船している実習生との交流、餅つきなどを楽しんだ。また実習生らが授業で身に付けた危険人物を確保する際の技術を披露すると、歓声が上がった。
 こじまは5月7日に広島県呉市を出航、ホノルル、ニューヨーク、マルセイユ、シンガポール、ダナンを回り8月9日に呉市に帰港。まさに4年間の集大成とも言える訓練航海となる。航海科・機関科・情報通信科の実習生35人(うち女性は7人)のほかに、乗組員らが乗船している。
 航海科の増岡和明さんは、「映画『海猿』を見て、自分の運動能力を活かせる仕事に就きたいと思っていたこともあり、この道を選びました。この仕事は危険と背中合わせの部分もありますが、でも誰かがやらなければいけないことですから」とひたむきな眼差しできっぱりと語った。
 同校は呉市にあり、海上保安庁の幹部を養成している。入学すると、学生でありながら国家公務員(海上保安庁職員)として寮で仲間と共に生活しながら4年間学び、航海実習において実地体験している。海上保安庁の仕事は、治安の維持、環境保全、海上交通の安全確保、防災など多岐にわたる。