全米最大の医師会「米国医師会(AMA)」は18日、シカゴで開催された年次総会において、肥満を疾病と認める決定を下した。
これまで、肥満は「国民の重大な健康上の問題」として片付けられており、専門家らが長年にわたり、肥満は治療や保険の適用を受けるに値する疾病であると認識させるために闘ってきた。
米医学界を代表する権威ある医師会が、肥満は治療および予防のためにさまざまな医学的介入が求められるべき疾病であると認めたことは、政策当局に大きな影響を与えるものと思われる。
現在、全米の成人の約3分の1が正常体重を35ポンド(約16キロ)以上も上回る肥満体形であり、子どもおよび十代の約3分の1が太り過ぎまたは肥満であると言われている。ノースカロライナ州の研究地域リサーチ・トライアングルにある非営利団体RTIインターナショナルの研究によると、このまま肥満人口が増え続けると、2030年までに国民の42%が肥満という状態が起きると予測される。また、その治療にかかる費用は膨大で、肥満でない通常の人の医療費と比べ、1人あたり年間約1400ドルが余計にかかるとされる。
肥満は2型糖尿病や心臓病、がんになる危険性を高める。