ニューヨーク市警察庁(NYPD)は19日、犯罪を犯した容疑者を絞り込むため、年齢、性別、肌の色、身体障害などの特徴をもとに捜査活動を行うプロファイリングを差別とし禁止する、ニューヨーク市の条例案に反対するため、写真入りの広告を作成して条例案を取り下げるよう訴えた。
広告には、タイムズスクエアの人ごみの中、目隠しをした警官の写真が使われており、同条例案が可決された場合、警察が容疑者の洋服の色以上の特徴を伝えると、「レイシャル・プロファイリング」と呼ばれる人種による選別だと訴えられる可能性が高くなると警告。警部組合は、「このようなプロファイリングを禁止すると警官を無力化し、犯罪率が上昇するだろう」と主張している。
広告は20日付の地元紙ニューヨークポストに掲載された後、組合のウェブサイトや短文投稿サービスのツイッター、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)フェイスブック、新聞各紙に順次掲載される予定。
条例の発案者であるブルックリン区選出の民主党市会議員ジュマーン・ウイリアムス氏とクリスティン・クイン市議会議長は、通常行われる委員会での条例審議を省いて直接、議決へと持ち込む予定で、同組合長マイケル・パラディノ氏は手続きの迅速化に協力した市議会議長を激しく非難した。
市ではレイシャル・プロファイリングは既に違法となっているが、黒人やヒスパニック系の若い男性を中心に人種偏見に基づいたNYPDの捜査が横行し、問題となっている。