たばこの購入最低年齢を18歳から21歳に引き上げる条例案が提出されるなど、喫煙率の低下に向けた動きが活発なニューヨーク市だが、たばこを取り扱う市内の小売業者の間では、売上への影響を懸念する声が広がっている。
同市のマイケル・ブルームバーグ市長はこれまでに、購入年齢の引き上げ案に加え、たばこの最低価格をひと箱10.50ドルに設定するほか、購入時の割引クーポンなどの利用を禁止する案も提示。さらに、店頭でのたばこの陳列販売を禁止する新条例も提案しており、特に若年層を対象とした喫煙防止政策を積極的に推し進めている。
この動きに対し、市内約1万店のたばこ小売業者を代表する小売店救済連合(Save Our Store Coalition)は、条例案が通過した場合にはたばこの売上による利益が市全体で29%低下するほか、約1万人の雇用が失われる可能性があるとする調査結果を発表。さらに、たばこ税による州の税収は1900万ドル減少すると予測している。
これに加え、新条例案には18歳以下の店員にたばこの販売業務を禁じる内容も盛り込まれており、小売店にとってはさらなる懸念要素となっている。
同団体は24日、各条例案の通過阻止を訴えるため、ブロンクス区にある食料雑貨店で記者会見とデモを行う予定だという。