小切手の現金化や通貨両替などのサービスを提供する「チェック・キャッシング・ストア」と呼ばれる金融サービス業者らが、金利の年率が最大200%となる新タイプの短期ローンサービスの実現に向けて、ニューヨーク州議会に積極的な働きかけを行っている。
チェック・キャッシング・ストアの業界団体であるニューヨーク金融サービスセンターは、短期金融サービスローン法(Short-Term Financial Services Loan Act)と呼ばれる法案の可決を求め、積極的なキャンペーンを展開している。法案が可決されれば、90〜180日の期間で300〜2000ドルを貸し付ける新たなサービスの提供が可能になる。だが専門家によると、同サービスの金利は300ドルのローンで年率200%以上、2000ドルでは50%以上となり、現行の州法で定められている金利上限の8倍に跳ね上がるという。
この動きに対し、ブルームバーグ市長率いるニューヨーク市当局は、「消費者を食い物にするビジネス」として強固な反対姿勢を見せており、市消費者問題局のジョナサン・ミンツ長官は、「賛成派の議員は、業界団体から多額の寄付を受け取っている」と指摘したうえで、「州議員は消費者保護を最優先にするべき」と訴えている。同業界団体が本案可決に向けて2008〜13年に行った寄付の総額は、48万ドル以上に上ることが分かっている。