球宴の経済効果は約2億ドル? 「サンディ」復興チャリティーも
16日にクイーンズ区のシティフィールドで開催される米大リーグ(MLB)オールスターゲームで、約1億9150万ドルの経済効果が期待できるとする試算が発表された。ニューヨーク市経済開発公社が明らかにした。
オールスターゲームでは毎回、多大な経済効果が期待されるが、毎年の平均である約5700万ドルと比較して、今回の試算は記録的な高額となっている。
この理由の一つが、昨年11月に米東部を襲った大型ハリケーン「サンディ」による被災地復興支援のためのチャリティーイベントだ。MLBは総額100万ドルを復興事業に寄付することを目標としており、プロスペクトパークでチャリティーランを開催するほか、セントラルパークではニューヨーク・フィルハーモニックと人気歌手のマライア・キャリーさんが共演するチャリティーコンサートなども開く予定だという。
マイケル・ブルームバーグ市長はこの試算について「経済のグランドスラム」と呼んで歓迎しているほか、クイーンズ区のヘレン・マーシャル区長は「近隣の飲食店や宿泊施設ではさまざまなサービスを用意しているほか、クイーンズ美術館や科学博物館など訪れるべき観光スポットも多数ある」と呼び掛けている。
一方で専門家からは、市の試算は楽観的過ぎるとの指摘も上がっている。地元の観客の消費は通常と変わりない上に、観光客の出費は地元の個人経営のところではなく、大手チェーンの飲食店や宿泊施設などに流れ込む可能性が高いと懸念する。