スマートフォン用スパイウエアアプリは悪用されれば犯罪に繋がるとして、ニューヨーク州マンハッタン区選出の民主党下院議員マイカ・ケルナー氏が、その製造や販売を禁止するよう訴えている。同氏はこのアプリの製造販売を違法とする法案の提出を目指し、活動を進めている。
同氏が法案の対象としているのは、「Spy2Mobile」や「iTrack」などのスマートフォン用アプリで、“恋人の行動が監視できる”といったうたい文句で市場に出回っている。これらを使用することで利用者は他人のテキストメッセージや通話記録を入手したり、居場所を特定したりすることが可能となる。またこうしたアプリは携帯電話の所有者本人の同意なくダウンロードすることができるため、悪用されれば犯罪に繋がる危険性が指摘されている。
ニューヨーク市のデートDV被害者擁護団体デイワンの代表者ステファニー・ニルバ氏も、ケルナー氏の法案提出を支持しており、「DV被害者本人に気付かれることなく居場所を特定できるため、命が危険に晒されることもある」と危惧する。
一方で、法案の有効性に疑問を投げ掛ける声もある。ある専門家は、「今回、法案でアプリを市場から締め出しても、また新たなアプリが次々と作られることになるだけだろう」と話している。