2008年に買春スキャンダルにより知事職を辞任した元ニューヨーク州知事エリオット・スピッツァー氏(54歳)は8日、ニューヨーク市の次期会計監査官選に出馬するため、陳情を求める署名集めを開始した。出馬が認められるには、11日までに登録民主党員3750人の署名を集めることが必要となる。
同氏は知事に就任する以前は州司法長官も務めており、大統領候補に名が挙がったこともある政界の重要人物だった。司法長官時代には、最大手の金融機関やウォール街関係者をターゲットとした経済犯罪や証券詐欺摘発に容赦なく、ニューヨーク証券取引所の元最高経営責任者(CEO)を訴追するなどの功績を上げている。億万長者で豊富な資金力を持つ同氏は、膨大な自己資金でキャンペーンに挑む模様。
有力な対抗馬としては、次期市長選への出馬表明後、会計監査官選への出馬に切り替えたマンハッタン区長のスコット・ストリンガー氏がいる。
ニューヨーク市では先日、自身の局部の写真を複数の女性に送るといったスキャンダルにより、上院議員を辞職したアンソニー・ウィーナー氏が次期市長選への出馬を表明し、世論調査で高い支持を得ており、これがスピッツァー氏の出馬への原動力になったのではと見られている。性絡みのスキャンダルで辞任した2人の出馬により、ニューヨーク市民の寛容性が問われる。