WTCが航空会社に損害賠償請求 訴追の可否問われる

現在も復旧作業が続くWTC跡地


 米中枢同時テロを受け、倒壊した世界貿易センター(WTC)が航空会社などを相手取り、損害賠償を求めることは可能なのか—。
 同テロ関連の裁判を多数担当してきたニューヨーク連邦地方裁判所のアルビン・ヘラースタイン判事は、15日から3日間の日程で行われる予定の陪審員なしの審理後、既に保険会社から490億ドルの保険金を受け取っているワールドトレードセンター・プロパティーズ社(WTCP)とその関連会社が、航空会社などを相手取り、さらに490億ドル以上の損害賠償金を求める裁判を起こすことが可能かどうかの判決を下す。
 被告として、アメリカン航空とその親会社のAMR社、ユナイテッド航空、USエアウェイズ、コルガン航空、ボーイング社、マサチューセッツ港湾局などの名が挙がっており、WTCP側は、これらの航空会社などに対し、テロリストを機内へ搭乗させたことについての過失責任を問う。
 同判事は、WTCP側に支払われるべき損害賠償額の上限を350億ドルとしているが、同社は倒壊したWTCの復旧に700億ドル、および第3ビルの修復にさらに100億ドルが費やされていると主張。しかし被告側は、WTCPは既に保険金を受け取っている上に、復旧されたビルは以前のものよりも近代的で豪華であると主張している。