ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長は17日、健康促進のためエレベーターの代わりに階段を利用できるよう、建築基準法の一部を変更する条例案を提出した。
これは市長が推し進める、日常生活で運動できる環境づくりを目指す「アクティブ・デザイン」の一環。現在、市内の商業ビルなどは火災の際に煙や炎が広がらないよう、ビルの階段室は通常閉鎖することになっているが、同条例案は非常時以外にも階段室のドアを開放し、人々が利用できるように新築されるビルを設計し、既存のビルに改良を加えることを求めるもの。
具体的にはビルを新築する場合、ひとつの階段につき連続した3フロアの階段室のドアに、ドアを開放したままにできる機具を設置し、火災の際には自動的にドアが閉鎖されるようにする。
市疾病対策センターによると、体重150ポンドの人なら、階段を上ることで1分間に10カロリー消費されるという。これはエレベーターを利用した場合の1.5倍の数値。
市保健局のトーマス・ファーレー局長によると、同市の市民は他都市と比べ、車ではなく電車やバスなどの公共交通機関を多く利用しているため運動量は決して少なくないが、それでも推奨される運動量を満たしているのはわずか全体の30%に満たないという。