ニューヨーク大学(NYU)の不動産と都市政策ファーマンセンターが7月29日発表したレポート「ニューヨーク市の住宅と地域2012」で、2007年から11年の4年間で市民の所得の中間値が低下した一方、家賃は上昇を続けたことが明らかとなった。
具体的には、1カ月の家賃の中間値が1096ドルから1191ドルへ8.6%上昇したのに対し、一世帯あたりの年間所得の中間値は5万4127ドルから5万433ドルへ6.8%低下したことになる。
統計によるとニューヨーク市民の3分の2は賃貸住宅に住んでおり、今回の調査ではそのうちの約3分の1が年収の半分あるいはそれ以上を住宅費に費やしていることになる、と報告している。
この調査結果から、ニューヨーク市は全米で最も所得格差の大きい都市であることが判明したが、それにもかかわらず人口増加は続いており、全米5大都市(他の4都市はシカゴ、ヒューストン、ロサンゼルス、フィラデルフィア)の中で賃貸物件の空室率が最も低い。
米誌ニューヨーカーは、ことし4月に掲載した記事の中で「米国勢調査の数値から算出すると、マンハッタン区の所得格差はアフリカのシエラレオネ共和国やナミビアと同レベル」だと述べている。