黒人初大リーガー像に差別的落書き ジャッキー・ロビンソンの友情碑

ブルックリン区のサイクロン球場に設置されたジャッキー・ロビンソンの像


 ブルックリン区コニーアイランドを拠点とするマイナーリーグ、ブルックリン・サイクロンズの本拠地であるサイクロンズ球場で7日、球場の外に建てられた黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソン氏の像に、差別的な落書きがされているのが見つかった。球場があるMCUパークの管理人が発見、犯行時刻は午前0時〜6時の間とみられる。
 落書きが見つかったのは、2005年に建てられたブロンズと石で作られた像。ブルックリン・ドジャース時代のチームメイトである白人選手のピー・ウィー・リース氏がロビンソン氏の肩を抱き、“友情の碑”として知られている。
 落書きは像の重要性を記した碑文のすぐ上にあり、ナチスのカギ十字と共にアドルフ・ヒットラーへの忠誠を表す「ハイル・ヒットラー」や「ニガー死ね」など、ロビンソン氏や黒人を中傷する言葉が黒のサインペンで走り書きされていた。落書きのほとんどは同日中に消されたが、残った一部はごみ袋で隠された。
 球場では午前11時から試合が開始され約7000人の観客が集まったが、そのほとんどがキャンプに参加している子どもたちだった。
 捜査官らは同日夜、球場内に設置された36台の監視カメラの録画内容を確認したが、いずれも像周辺を記録しているものがなかった。
 米紙デイリーニューズは8日付の表紙でこの事件について大々的に報じ、犯人逮捕に繋がる有力な情報を提供した人に、謝礼金1万ドルを支払うとしている。