インターネットは現代人にとってもはやなくてはならないもののひとつであるが、「ネット上のコミュニケーションが、人間関係における礼儀を低下させている」とする調査結果が米国で発表され、話題となっている。
この調査はコンサルティング会社のウィーバー・シャンドウィックなどが全米の市民約1000人を対象に行ったもので、アンケート回答者のうち約70%が、インターネットの普及がもたらしたマナーの低下を「国家的な危機」と捉えていることも分かった。
同調査によると、フェイスブックやツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通して友人や知人から攻撃的なメッセージなどを受け取り、結果的に現実の世界でも交友関係を断つに至った経験を持つ人が増えているという。また教育現場では、「サイバーいじめ」と呼ばれるインターネット上での嫌がらせも急増し、深刻な問題となっている。
さらにニューヨーカーの間では、ネット上のコミュニケーションだけではなく、飲食店などで店員に敬意を持って接したり、公共の場所で次の人のためにドアを開けておくといった基本的なマナーが忘れられている、と嘆く声も多く聞かれた。
専門家はこれについて、「ネット上でのやりとりは直接的になりやすい。そのため現実のコミュニケーションでも、社会的、感情的な含みを忘れがちなのではないか」と分析している。