差別受けたとスタバを提訴  聴覚障害者ら、注文拒否や退店要求

 聴覚障害者のグループが先月、マンハッタン区にある米コーヒーチェーン大手スターバックス2店舗の従業員から障害を理由に差別を受けたとして、シアトルに本社を置く同社を連邦地方裁判所に提訴していたことが分かった。
 差別があったとされるのは、同区アスタープレイスとパーク街南の店舗。アスタープレイス店では、紙に書いてアイスコーヒーを注文しようとした聴覚障害者の女性が、注文を拒否された上に店を追い払われた。同店ではまた、毎月恒例の聴覚障害者の交流会に集まったメンバーに、店員が「飲み物や食べ物を少ししか注文していない」などと文句を言い、別の日にグループが再来店した際には、店員が警察を呼ぶ事態にまで発展した。
 別の店舗では、注文した男性客が店員から話し方がおかしいと嘲笑されたためマネジャーにその旨を伝えたところ、マネジャーは店員を擁護したという。
 原告は、従業員に感受性訓練を受けさせることと聴覚障害者に対する適切なサービスを取り入れることを同社に求めている。
 一方、同社ではすでに20万人以上の従業員が感受性訓練を受けたと主張し、訴訟が解決した際には聴覚障害者の雇用、店舗での手話イベントの主催、従業員に手話習得の機会を与えたり、「聴覚障害者に優しい環境作り」と題した社内研修の実施を開始する方針。