ダニ媒介の疾病が急増 刺されたら即病院へ


 大都市圏で、ダニの媒介による疾病が増加していることを受け、ニューヨーク州選出民主党上院議員チャールズ・シューマー氏が疾病対策予防センター(CDC)に対応を呼び掛けている。
 ダニといえば、かつては地方でしかみられなかったが、最近は都市部であるニューヨーク市内各地でシカダニの生息が確認されている。
 同氏によると、ダニの媒介によるライム病が市内やロングアイランドで急増、過去数年で5倍に増加しているという。ダニが媒介する菌には、ライム病以外にもポーワッサン脳炎を引き起こすさらに危険なポーワッサン・ウイルスがあり、同ウイルスは検出が困難な上、抗生物質も効かないため、これに感染すると3分の1の確率で死に至るという。
 同氏はCDCに対し、同ウイルスなどダニが媒介する疾病の研究、またそれがどのようにまん延するかを調査するよう求めている。
 ニューヨーク州ではことし、サラトガ郡で1件の同ウイルス感染が報告されている。CDCは同ウイルスには治療法がないため、最も適切な予防法は①防虫剤の使用②丈の高い草の間を歩かない③明るい色の服や長袖、長パンツを着用する④ペットにダニがいないか調べる—などとしている。
 ダニに刺された場合、早急に病院か緊急治療室で治療を受けるよう、専門家は勧めている。