ニューヨーク州を含む米北東部と中西部の8州およびカナダのオンタリオ州にまたがる広範囲で、少なくとも5000万人が電力を失うという北米史上最大の停電が起きてから、14日で10年目を迎えた。
2003年の同日午後4時過ぎに起きた大停電の発端は未ださまざまな説が唱えられているが、最も有力とされるのはオハイオ州にある電力施設のシステムの不具合によるもので、連鎖反応を起こしたためと言われている。また木の枝の落下により主要送電線が停止したことも、理由とされている。これにより、オハイオ、ミシガン、ペンシルべニア、バーモント、マサチューセッツ、コネチカット、ニュージャージー、ニューヨーク、およびオンタリオ州で電力の供給が停止された。
停電により公共の交通機関が麻痺し、給油所の給油ポンプも作動しなくなってしまったため、ニューヨーク市などでは路上で夜を明かしたり、ヒッチハイクや徒歩で遠く離れた自宅へ帰る人々の姿が見られた。
同日は真夏日であったことも重なり、電力の止まった冷蔵庫の中の食品類は腐敗し、給水施設も停電となったため、水の売り切れが相次いだ。
米国の一部地域では電力の復旧に4日、オンタリオ州の一部では1週間以上を要した地域もあった。
ニューヨークの送電網担当者によると、その後はインフラの整備や管理システムを改良したため、同規模の停電が再度起きる可能性は極めて低いとしている。