ニューヨーク市の公共交通機関を運営するニューヨーク州都市交通局(MTA)はこのほど、地下鉄の駅名に企業名などを入れることができる「命名権スポンサー契約」を導入し、新たな資金源の獲得に踏み切ることを発表した。
MTAはこれまで、地下鉄駅の名称には主に通りの名前を用いてきた。しかし2009年、命名権スポンサー契約の実験的な試みとして、ブルックリン区の主要駅である駅名を「アトランティック・アベニュー・バークレイズ」に変更。付近に建設された多目的スタジアム「バークレイズ・センター」の命名権を持つ英バークレイズ銀行の名を冠した駅名を誕生させた。
MTA幹部のステファン・モレロ氏は米紙ニューヨーク・タイムズに対し、「命名権スポンサー契約は、資金繰り戦略として大きな可能性がある。すでに多くの企業から交渉の問い合わせが殺到している」と述べ、新たな資金調達への糸口に期待を寄せている。
また同氏は、制度導入後も利用者が混乱することのないよう、通りなどの地理的な情報を含めた駅名のみを採用すると説明している。