“ワンクリック詐欺”被害が急増 身に覚えのない料金請求に要注意

 携帯電話に頻繁に送られてくる、テキストメッセージを介した宣伝メール。米メディア大手のCBSが14日伝えたところによると、このようなテキストによる宣伝メールを通じたいわゆる「ワンクリック詐欺」に遭う被害者が増えており、被害総額は全米で年間6億ドルに上るという。
 CBSが取材したある女性は、「月々9.99ドルで携帯電話用のコンテンツがダウンロードできる」という宣伝テキストメッセージを受け取った。女性は最初はそのまま無視していたが、別の日にも同じアドレスから気になるメッセージを再び受信したため、「番号を登録していない友人からかもしれない」と思い、開封した。
 その後、女性はそのアドレスから頻繁にテキストメッセージを受け取るようになったため、迷惑メールの受け取り拒否設定を行う目的で携帯電話キャリア会社に電話をしたところ、メッセージの送信元業者から9.99ドルの料金を課金されていることを知らされた。メッセージを開封したことで、自動的に契約に同意したとみなされたという。
 このような手口は「フォーン・クラミング(phone cramming)」と呼ばれ、近年米国で急増している。米連邦取引委員会によれば、同様の詐欺で課金される料金は電話会社から送られてくる明細書上で「メンバー料金」「ボイスメール」といった見過ごしやすい名目となっているため、詐欺に遭ったことに気づく人は全体の2割程度しかいないという。
 被害が急速に広がっていることから、米連邦政府は今後、携帯電話会社に対し、第三者からの課金をより分かりやすく明示するよう要請するとしている。