マンハッタン区の観光名所、ロックフェラーセンター付近で20日午前11時40分ごろ、コントロールを失ったイエローキャブが歩道に乗り上げ、近くの噴水広場に座っていた女性をひくという事故が発生した。事故の衝撃で女性の左足は膝の付け根からちぎれたが、命に別条はないという。
ニューヨーク市警察庁(NYPD)によると、事故は6番街沿いの49丁目で発生。イエローキャブの運転手は事故直前、脇を走っていたサイクリストと互いが進行方向の妨げになっているという理由で口論となり、猛スピードで走行しサイクリストを挑発していたという。
事故直後に現場を通りかかった配管工の男性が救急隊の到着を待つ間、自身のベルトを使って止血処置を行うなど応急処置に当たった。
また、現場近くのオフィスにいた有名医師、メフメット・オズ氏も駆け付け、手当を手伝った。オズ氏は健康バラエティー番組「ドクター・オズ・ショー」に出演するなど、セレブ医師として世界的に活躍している。
イエローキャブの運転手に刑事責任はないとされたが、商業用の免許証が無認可だったため、裁判所への出廷が命じられた。運転手はこれまでにもスピード違反や商業車両内での喫煙などで、たびたび交通切符が切られていた。
被害に遭った女性は英国出身の23歳で、この日はニューヨーク観光の初日だった。女性は一緒に観光していた友人に付き添われ、ベルビュー病院で手当を受けた。