「光が届くように」 テロ跡地ビルに邦人作品
ニューヨークでは先週、米中枢同時テロから12年を迎えたばかりだが、ロウワーマンハッタンにある世界貿易センター(WTC)跡地に建設中の高層ビル「タワー4」のエントランスロビーにこのほど、彫刻家の西野康造さん(62歳)の新作「スカイ・メモリー」が設置された。
同作品は虹色を描く直径30メートルの半円状の大作で、ロビーホールの高さ7メートルの地点に据え付けられ、訪れる人々を見下ろすような設計となっている。
タワー4は日本を代表する建築家、槇文彦さんによる設計で、悠然とたなびく西野さんの作品と槇さんの洗練された建築空間とが融合する。
西野さんはこの作品に「“空の記憶”が美しい光の輪となり、この場所を訪れる人々へ届くように」という想いを込めている。
現在、WTC跡地ではワン・ワールド・トレードセンターやタワー4を含む4棟の高層ビル、9.11記念博物館などを併設した複合施設の建設が進められている。タワー4は72階建てで、ことし11月中旬に完成する予定。