資産家女性めぐる遺産相続裁判が決着 元看護士が生前贈与分の返却に同意

 2011年に104歳で死去したとされる資産家のヒューゲット・クラークさんの遺産相続をめぐり行われていた裁判で、長年にわたってクラークさんの自宅介護を行っていた元看護士が、生前に贈与されていた遺産のなどの返却に同意したことが分かった。
 クラークさんの遺産をめぐっては、本人の姿が死の20年前からほとんど目撃されていなかったことや、遺産総額が3億ドルを超えることなどから、検察当局による捜査が行われるなど、これまでにも全米のメディアから注目を集めてきた。
 クラークさんには子どもはおらず、遺産のうち約3000万ドルは遠縁の親戚間で分配される。また、カリフォルニア州サンタバーバラの豪邸や170万ドル相当の人形コレクションなどは、本人の遺書に基づいて設立された芸術支援のための非営利団体に贈られるという。
 1991年から約14年間にわたってクラークさんの自宅介護を担当していたハダサー・ペリーさん(63歳)は、本人の生存中に贈与された前述の人形コレクションと500万ドルを返却することに同意した。ペリーさんは勤務中、ほぼ休みなく1日12時間の介護を行っていたとされる。
 なお、当裁判で費やされた弁護士料などの訴訟費用は、総額2450万ドルに上ることも分かっている。
 クラークさんは銅鉱山開発に成功し、「全米でロックフェラーに次ぐ富豪」と言われたウィリアム・A・クラークさんを父親に持ち、巨額の遺産を相続していた。