ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長は9月26日、マンハッタン区のチェルシーピアで行われた「クリメイト・ウイーク」のイベントで、市の大気の質が過去50年で最良のレベルに達したと発表した。大気の質の改善は、市の推奨する「クリーンヒート・プログラム」の一環として行われた暖房用燃料の転換が功を奏したものと考えられている。
同プログラムでは、汚染されたガスを多く排出する大規模ビルに焦点を当て、約400のビルで暖房用の燃料を、これまで使用していた重油から硫黄分を含まない天然ガスへと転換した。2008年以来、大気中の二酸化硫黄のレベルが69%減少したほか、すす濃度は07年以降23%減少している。
大気の質の改善は市全域にわたり、もっとも汚染が進行していた東ハーレムや南ブロンクスでの改善が顕著に見られた。
市衛生局のトーマス・ファーレイ局長によると、大気汚染は住民の健康を脅かすものであり、特に子どもや高齢者、慢性的な心臓および肺の疾患を持つ人にとっては、深刻な問題だという。
大気の質の著しい改善により、08年と比べて年間死者数が800人、ぜんそくによる救急来院患者数が1600人、呼吸器系および心臓血管系の異常による入院患者数が460人、それぞれ減少している。