米大リーグ(MLB)から全211試合の出場停止処分を科されたニューヨーク・ヤンキースの主砲アレックス・ロドリゲス選手が、処分を不服として異議申し立てを行ったことを受け、ニューヨーク市内のMLB本部で9月30日、公聴会が始まった。
仲裁人であるフレドリック・ホロビッツ氏が同選手とMLB双方の言い分を聞き、証拠や証言を出し合い反対尋問が行われる。公聴会は4日まで連日行われ、その後数週間のうちに双方は最終弁論趣意書を作成し提出。これを基に仲裁人が裁定を下すことになる。
リーグ最優秀選手賞を3度受賞し、通算本塁打数654本で歴代4位の輝かしい成績を持つ同選手だが、8月に禁止薬物を使用していたとして今シーズンと来シーズンの全試合の出場停止処分を受けた。211試合の出場停止処分は、野球賭博で永久追放処分を受けたシンシナティ・レッズのピート・ローズ元監督に次ぐ重い処分で、現役選手が受けた処分としてはMLB史上最も重い。
同選手の処分が重くなったことについてMLB側は、「数年にわたり禁止薬物を使用したうえ、機構の調査に対し証拠隠蔽を図るなど、さまざまな妨害を行ったため」と説明している。
ロドリゲス選手はヤンキースと2017年まで総額275億ドルで10年契約を結んでおり、契約終了までにあと86億ドルが支払われる予定となっている。仮に処分が妥当と判断されると、球団側は同選手に対する支払い分である31億ドルが節約でき、来年度はMLBのぜいたく税(年俸総額に対する課徴金)の支払いを免れることとなる。