米国連邦裁判所はこのほど、ニュージャージー州がかねてから成立を目指してきたスポーツ賭博の合法化法案に関する裁判で、同州法案を違憲とする判断を下した。これにより、同法案に関する最終的な審議は連邦最高裁に持ち込まれる可能性が濃厚となった。
この裁判は、ニュージャージー州の州議会で可決されたスポーツ賭博の合法化法案が、連邦法の「プロおよびアマチュア・スポーツ保護法(PASPA)」に違反するとして、米大リーグ(MLB)や米バスケットボール協会(NBA)をはじめとする米4大スポーツリーグが同州を相手取り提訴したもの。
原告側は「スポーツ賭博は競争の純粋性を阻害する」として、賭博合法化の動きに反対している。
一方ニュージャージー州側は、PASPAは州の権限の侵害にあたると主張。同法がネバダ州など一部の州を適用外としていることについても、連邦憲法の定める平等保護条項に反するとして、真っ向から反論する姿勢を見せている。
連邦裁判所は今回の判決について、「PASPAの正当性やスポーツ賭博の適切さを問うものではなく、合法化法案が違憲であるという法的な判断を示すもの」と位置付けている。