占い師めぐる裁判開始 顧客から約13万ドル騙し取った疑い

 ニューヨーク市で3日、女性占い師が顧客から多額の金を騙し取ったとする事件について、初の公判が行われた。
 起訴されたシルヴィア・ミッチェル被告(39歳)は、マンハッタン区グリニッジビレッジで占い店を営んでおり、顧客が金銭的な利益を上げる機会を予知したり、「負のエネルギー」を取り除くなどの触れ込みでサービスを提供していた。
 起訴状によれば、原告の一人であるダンス教師の女性は、被告に合計1万ドル以上を騙し取られた。女性は被告から「前世はエジプトの女王だった」などと占われていたという。
 またこの女性とは別のシンガポール出身の女性も、占いの代金として12万8000ドルを支払ったが効果がなかったとして、ミッチェル被告を共同で起訴している。
 被告の弁護人は「この裁判は、超自然的な力を信じるか否かという問題ではない。原告は自分の人生を変えるために占い師に代金を支払ったのであり、被告が契約内容に見合った内容のサービスを提供しなかったという証拠はどこにもない」とコメントしている。
 一方、原告側の代理人は「被告が行っていたのは魂の洗浄ではなく、銀行口座の洗浄だ」と被告を厳しく非難した。
 有罪となった場合、ミッチェル被告には15年以下の懲役が科される可能性がある。