白人住民が流入するチャイナタウン 不動産価格が上昇

 マンハッタン区のチャイナタウンでは不動産開発が進むにつれ、若くて裕福な白人層が住民として増加していることが最新の調査から判明した。同様の傾向はボストンやフィラデルフィアでも見られ、白人人口の伸びは各市内の平均値を上回っている。
 アジア系の人権擁護団体AALDEFと各地の大学が共同で行った調査によると、マンハッタン区では1990年から2010年まで、チャイナタウンにおけるアジア系の人口は45%とほぼ横ばいであるのに対し、白人の人口は徐々に増加し、現在は19%に達している。一方、黒人とラテン系は減少した。
 また世帯構成も変化しており、独身世帯は21.4%増加したのに対し、家族世帯は13%減少した。
 この地域では高級コンドミニアムやホテルの建設が進んでおり、最近モットー通りにある3ベッドルームの部屋が、1.5億ドルで販売された。
 新築物件の増加に伴い、不動産価格が上昇しているため、同地域に元々住んでいたアジア系住民の中にはクイーンズ区へ引っ越して、チャイナタウンへ通勤してくる人も増えているという。
 同団体は各地のチャイナタンからアジア系の人口が減少することを危惧しており、早急な対策の必要性を訴えている。
 ボストンのチャイナタウンでは、アジア系の人口が1990年の70%から2010年には46%まで減少している。