「訴訟大国」、米国。ましてやさまざまな文化や価値観を持つ多くの人種がひしめき合うニューヨークでは、訴訟は日常茶飯事。隣人とのトラブルや交通事故、医療問題など、誰にでも起こりうることばかりだ。今回は、日本人ならではの戸惑いや心情を理解しつつ、誰もが持つ「権利」を行使する手助けをしてくれる、スティーブン・エプステイン法律事務所を紹介する。
訴訟が苦手な日本人と訴える「権利」
買い物に訪れたデパートの店内で、床のコードに引っ掛かって転んでしまい、大怪我ーこれは誰にとっても、他人事ではないはず。もしそんなことが自分の身に降り掛かったとしても、「こんなことで訴えるなんて…」と思う人も多いだろう。事実、エプステイン弁護士の事務所を訪れる日本人の多くが転倒や交通事故、離婚などの問題を抱えながらも、「訴訟を起こせるほどのものなのか」「この程度で起こしても良いものか」と、相談のためにやって来るという。「日本人にとってはなじみのない考え方かも知れませんが、すべての人が訴える『権利』を持っているんです」とエプステイン弁護士は語ってくれた。
日本人独特の法的権利の捉え方や控えめな心情を把握しているのも、親日家であるエプステイン弁護士の一面を考えれば納得だ。「日本が好き」という米国人は多いが、これまで30回以上、今年だけで2回も日本を訪れたという根っからの日本好き。メジャーな観光地から友人が暮らす街、人で溢れかえった魚市場まで、日本各地へ足を運んでいる。日本文化と日本人の心を肌で感じてきたエプステイン弁護士だからこそ分かる、日本人クライアントの思いがある。
相談者の立場に立った 心からの「配慮」
日本語でも厄介な訴訟問題。それを英語でしなければならない精神的な負担は大きいが、エプステイン弁護士の事務所では、メールや電話の応対、相談の際の通訳などを日本人スタッフがサポートしてくれるので心強い。「クライアントのニーズや話しやすさを考えれば当然のこと」とエプステイン弁護士は言う。
また、長年の経験とこれまで築いてきた人脈などを元に、引き受けられる仕事かどうかは相談を受けた時点で判断。訴訟の内容などにより必要があれば、知り合いの専門弁護士に紹介することもあるという。 いずれにしても「まず大切なのは、自分が信頼できる弁護士を見つけること」とアドバイスするエプステイン弁護士らしい「配慮」と言えるだろう。
移民法だけじゃない NY市のあらゆる法律に精通
エプステイン弁護士が詳しいのは、日本人の心だけではない。米国の他の地域に比べ複雑と言われるニューヨーク市の法律の世界に、18歳から身を置いてきた。法律事務所でのアルバイトを経て、ロースクールへ進学。卒業後はマンハッタン区だけではなく、ニューヨーク市全土であらゆる案件を請け負ってきた。いわゆる法のエキスパートだ。
米国在住の日本人が、弁護士と聞いてまず思い浮かべるのは、ビザに関する問題。特に移民の多いニューヨークでは、移民法を専門とする弁護士も多い。ビザの問題はもちろん大切だが、ビザを得た後、米国で暮らすことにより生まれる問題も忘れてはならない。転倒、医療ミス、飲酒運転による自動車事故など、身近で重大な問題はたくさんある。「私はそんな皆さんの力になりたいと思っています」と語るエプステイン弁護士。彼ほど日本人の思いを理解し、かつニューヨーク州の法律を知り尽くした弁護士は、そう簡単に見つけられるものではない。
■問い合わせ
◎Steven W. Epstein & Associates法律事務所
マンハッタン:1 Whitehall St, 17Fl(@Bridge St) スタテンアイランド:361 Victory Blvd, Staten Island 212-729-9164(日本語)/212-422-2110(英語)
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