たばこの陳列販売禁止を断念 電子たばこの人気も影響

たばこの陳列販売は子どもに悪影響を与えると唱ったキャンペーン広告も出回っていた


 ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長は10月28日、ことし3月に提出していたたばこの陳列販売を禁じる規制案を取り下げることを明らかにした。
 この条例案は、デリなどの小売店でたばこを陳列して売ることを禁止するもので、特に若者層の喫煙抑制や衝動買い防止を目的としていた。
 同市のたばこ業界や小売業者の連盟はこの案に強い反発を示し、条例案の取り下げを求めて活発なロビー活動を展開。人気上昇中の電子たばこの推進者からも反対意見が出ていた。
 規制案の取り下げを発表したニューヨーク市健康局と市議会は、「たばこの陳列販売が若者の喫煙率の上昇を後押ししていることは間違いないが、電子たばこが登場したことにより、陳列販売の禁止を決定することは時期尚早と判断した」としている。
 なお、若者の喫煙率低下を目的とした条例のうち、喫煙できる年齢を18歳から21歳に引き上げる規制案や、たばこの最低価格を一箱10.50ドルに設定し、割引販売を禁止する規制案についての取り下げは行われず、来週の市議会で審議される予定となっている。
 この喫煙年齢に関する規制案が成立すれば、ニューヨーク市は米国内で初めてたばこの喫煙年齢の引き上げを実施することとなる。