低価格で世界的に人気のファッションブランドH&Mはこのほど、自社の社会貢献基金「H&Mコンシャスファンデーション」の助成金の交付先を、インターネット投票により選定した。
これは、不特定多数の人が共同でプロジェクトを進めるクラウドソーシングの一種で、誰でもウェブサイトから寄付先を選んで投票できようにした。
同社では予め南アフリカの人権活動家で元大主教のデズモンド・ツツ氏やコロンビア大学地球研究所所長のジェフリー・サックス氏など、社会問題の専門家による委員会を立ち上げ、解決が急務と思われる5つの活動分野(汚水問題、女性の地位向上、天然資源の保全、教育、貧困の撲滅)を選定していた。
投票により上位となった汚水問題、女性の地位向上、教育の3分野が選ばれ、基金は今後複数年にわたり助成金を交付していく。
同基金は、H&Mが事業を行っている国と地域の発展を支える目的で創設された非営利団体。
企業の助成金交付先をクラウドソーシングで選定するこの方法は、自社の社会貢献について広く顧客や従業員に知らせることができ、フォードやペプシなどの大手企業もすでに取り入れている。