来年2月2日にニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで開催される米最大級のスポーツの祭典「スーパーボウル」。地元の観光業を中心に、大規模な経済効果が期待されているが、一方で会場近隣であるニューヨーク市内のホテル業界は、現段階では開催期間中のホテルの予約状況が芳しくなく、関係者からは悲鳴が上がっている。
例年、スーパーボウルの開催時には地元ホテルの宿泊費が跳ね上がり、昨年の開催地だったニューオーリンズでは宿泊施設に限りがあることから、最高で1泊1500ドルの高値がついていた。しかし今回、ニューヨーク市内の某ホテルは、開催期間中の空室の最低価格が346ドルと、通常時の宿泊代と同等の水準となっている。
スーパーボウルの開催地では例年、同イベントを主催する米アメリカンフットボールリーグ(NFL)が、選手やチーム関係者、スポンサー、メディア関係者、各種下請け業者などのためにおよそ1万8000室の宿泊施設を確保するが、ことしはスタジアム付近やニューヨーク市内のホテルの予約状況が思わしくない上、さらに一度予約された部屋のキャンセルも相次いでいるという。
これらの理由についてNFL広報は、「ニューヨーク市には他都市と比べてホテルの数が多いため、空室率は自動的に高くなる」と説明。さらに、消費者は選択肢が無数にあるため、ホテル側は「このような特別なイベントが開催される際でも、宿泊代をつり上げる必要がない」としている。また、通常はNFLが確保したホテルに宿泊する関係者や下請け業者も自社と取り引きのあるホテルを選ぶケースが多いことや、メディア各社の本社が同市内にあり、取材陣のために宿泊施設を確保する必要がないことも原因となっているようだ。
市内のホテル業者は、「今回のスーパーボウルは同市のホテル業界にとって“かき入れ時”にはならないようだ。多くのホテルにとって、期待はずれの結果になるだろう」とコメントしている。
ただ、イベント開催日前後は、同市内のタクシーや公共交通機関、飲食店などの利用者が大幅に増えることが予想されている。
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