米連邦通信委員会(FCC)はこのほど、航空機内での携帯電話による通話を禁じる規制について、見直しを行う考えがあることを明らかにした。米国では、機内での通話は長年にわたって禁止されているが、FCCは「時代遅れの規制を変える時だ」として、通話解禁に向け、米連邦航空局などとともに今後、協議する構え。
だが、これについて航空機乗務員連盟は、「緊急の場合に乗客が携帯電話で通話していると、機内放送が聞こえにくくなり、乗務員からの指示に従えなく可能性がある」と指摘している。
また、頻繁に航空機を利用する人の多くからも「機内は、唯一静かに過ごせる場所。大声で通話する人の隣で長時間過ごすのは苦痛」といった声が相次いでおり、米連邦政府のウェブサイトでは、規制保持を求める署名活動も始まっているという。
アムトラックをはじめとする多くの地上交通網では、携帯電話での通話を禁じる「クワイエット車両(quiet car)」を設けるなどして対応しているが、専門家によれば、航空機内での通話規制が緩和された場合も、通話ができない座席を航空会社側が指定するなどして、同様の対応策がとられる可能性がある。
このほかにも、乗客からは「人のいない所で通話しようとする客が、機内のトイレに長時間こもるのではないか」と懸念する声も出ている。