ニュージャージー州議会ではこのほど、車の運転中に注意力をそぐようなあらゆる行為を禁じる新たな不注意運転対策条例案が提出され、運輸委員会はこれを全会一致で可決した。
同条例は、「一般道路および高速道路上での自動車の安全運転を阻害するような、運転に関係のないすべての行為」を禁じる内容で、運転中の食事や化粧、ビデオゲームの操作など広い範囲の行動が対象となる。違反した場合は携帯電話の使用を禁じる現行の規制と同じく、200〜800ドルの罰金が科される。
ただし、実際に罰則の対象になる行動については条例案中に具体的に指定されているわけではないため、施行された場合は警察当局がそのつど判断を下すことになる。
条例案を提出した民主党のジョン・ウィスニーウスキー下院議員はこれの意義について、「例えば、ダッシュボードに画面を取り付けて映画を見てはいけない、という法律はどこにも存在しない。このような例は非現実的に思えるかもしれないが、実際に起こりうることだ」と説明している。
だが一方、全国自動車協会のニュージャージー州代表であるスティーブ・カレラス氏はこれについて、「ラジオのチューニングを合わせることも、CDを取り替えることも、地図を見ることも、すべて運転以外の行為に含まれる。不注意運転への対策を試みている点は賞賛に値するが、こうした行動がすべて悪い結果につながるわけではない」とし、違反対象の行為が明確でない条例は意味がないと指摘している。